すっかり気候は夏になってきました。
梅雨から夏・食欲の秋に向けて食中毒も増える為、食品管理には十分注意していきた
いところです。
特に日本は生もの文化!
現代では冷蔵庫が大活躍してくれていますが、冷凍・冷蔵技術が一般化する前の生活
って大変だっただろうな~と食品を入れながらブツブツ。
冷蔵庫などなかった昔、人は色々な食べ物の保存方法を考え出しています。
「人間が生きていくには1年中食料が入手できなければならない。
地球上には1年中食料を採取できる場所は熱帯のように恵まれた土地だけで、その他
の地域では季節による環境の変化があり、冬場には食料の採取は困難になって生活で
きなくなってしまう。
しかし人類の歴史を見てみると、氷河期時代に酷寒の地に人類が長期間移住していた
事が分かっており、食料の長期保存が可能であった。」
食品を長持ちさせるために、干す・塩漬けする・くん製にする・発酵させるなど様々
な方法が考え出されていきました。
梅干やたくあんの様に、干してから塩漬けするなど作り方にも様々な工夫がなされて
います。鯖を酢でしめたり、鰹を表面だけ焼いてタタキにするのも一理あります。
そして缶詰めの発明。
日本人がアメリカからの輸入で電気式冷蔵庫と出会ったのは大正12年、国産化に挑戦
し改良を重ねながら発売にこぎつけたのが昭和8年とされています。
定価は720円で、当時は一軒家が買えるくらいの価格だったとか。
もちろん高価すぎる事と故障も多く、普及するはずもなく保冷箱(木製の箱に氷を入
れたもの)が使用されていました。
低価格化を果たして一般家庭に普及し始めたのは第二次世界大戦後。
今では色んな機能が付いて(付きすぎてるかもしれないくらい)鮮度を保ってくれて
います。1万年前の氷河期時代から、厳しい生存環境の中で得た食料をどれだけ長く
維持できるか・・食品の保存方法を考えていたなんてすごいですね。
先人の知恵と工夫そして苦労によって生み出されてきた手法、
「食文化は知恵のカタマリ」 まさにその通りです。
看護師 福重