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自分以上 自分以下

2021年07月14日

いよいよ東京オリンピックが開催されます。

このコロナ禍での開催に是非はありますが、純粋にスポーツの素晴らしさに視点を向ければ、私達に多くの感動を与えてくれます。

今日、大谷翔平選手は、大リーグで初めて二刀流でオールスターに出場しました。

彼の活躍は、日本だけではなく、世界中の野球ファンに多くの感動を与えてくれています。

彼の凄さはどこから生まれたものか。

野球そのものだけではなく、そこに関わる全てのヒト、モノ、コトへの感謝の姿。

花巻東時代に書いたマンダラシートからも、彼を感じることができます。

そこには勝った負けただけの野球観ではないことが分かります。

人と比べて生きていかない姿勢。


久しぶりのブログの今日は、「下町ロケット」のモデルともいわれる植松電機  代表取締役  植松 努さんのお話をご紹介します。



人は生きていくためには、どうしても自信が必要です。

自信ってものすごく大切なものです。

でも、統計によると、日本人は世界で最も自信がないそうです。

なんででしょう?

それは、学校が教える「比べる自信」が原因じゃないかと思います。


小さい子に対しては、ついつい、「ほら、〇〇ちゃんはできてるよ。だからあなたもできるよ。頑張って!」というようなはげまし方をしてしまいます。

「ほら、〇〇ちゃんはおとなしくしてるよ。だからあなたもおとなしくしていようね」なんてことも言ってしまったりします。

でも、この段階から、比べる自信がスタートしています。

それがエスカレートするのは、テストや受験のせいです。


クラスで何番の成績だ!全国模試で何位だった!が人の価値のように言われるようになります。

運動でもそうですね。

誰かに勝ったら嬉しい。

誰かに負けたら悔しい。

大人のなかには、その悔しさを成長に利用しようとして、ことさらに「勝ち負け」にこだわって指導する人もいます。

そんな世界で長い時間過ごしてきた僕らには「比べる自信」が、がっつり染みこんでいます。

でもね、比べる自信は恐ろしいのです。


なぜなら、比べる自信を満たすために、まず手っ取り早い方法は、お金で自信を買うことです。

自分の身を飾るのです。

高価なものを身につけるのです。

そうすれば、比べる自信は満たされます。


でも、自分以上の金持ちはかならず存在します。

その人と自分を比べたとたんに自信を失います。

しょうがないから、自慢をするようになります。

過去の手柄や武勇伝を「かなり盛って」しゃべってしまう人がいます。

でもすぐに気がつくんです。

自慢をするよりも、自分以下をつくったほうが早いって。

だから、人を見下し、評論し、差別をするようになります。

そして、自分が誰かに置いて行かれるのが恐ろしいから、頑張る人の足を引っ張るようになります。


人が頑張っていることについて、「よーやるわ」「何それ自慢?」「余裕あるやつはいいよね」「どうせうまくいかないのに」「どうせ失敗するのに」と言うようになるのです。

でも、こんなことをしても、自信は減っていくばかりです。

なぜなら、比べる自信は、追えば追うほど自信を失うからです。

なんたって、かならず自分以上がいるからです。

だから、比べる自信から抜け出してほしいです。

比べる自信から抜け出すためには、比べられなくすればいいです。


たとえばね、「足が速い」という人がいたとします。

でも、「足が速い」人はたくさんいます。

だから簡単に比べられてしまいます。

でもね、「足が速い」+「料理が上手」という人がいたら、同じ条件の人は減るでしょう。

さらに、「足が速い」+「料理が上手」+「歌も上手」になると、さらに同じ条件の人は減ります。


比べたくても比べられないくらい、たくさんの好きが組み合わさっていると、それが個性になるんだと思うんです。

その「好き」は、「好きなこと=得意なこと=人より優れていること」という方程式に従う必要はありません。

レベルなんて関係ないんです。

「好きったら好き」でOKです。

その好きなことがたくさんあると自分の個性になり、比べられにくくなります。

君自身はたくさんの好きなことをやるのに忙しくて、自分のことを誰かと比べる暇もなくなります。

たくさんの好きなことを、夢中でやっているうちに、だんだん自信もついていきます。

誰とも比べられない、自分以下も必要としない、本当の自信が身につくんです。


               『不安な時代に踏み出すための「だったらこうしてみたら?」』PHP  植松  努

                                                                                メルマガ「人の心に灯をともす」より





高校時代、どうしようもないくらい成績が悪く、とりあえず大学には行こうぐらいしか考えていなかったのですが、私が高校3年生だった33年前の今日、父が亡くなりました。

人と比べたらどうしようもなくだめだったのに、どうしても医者にならなければと思わされたんです。

担任からも半分呆れられていましたが、母だけは応援してくれました。

人と比べたら諦めるしかなかったでしょうね。

あの時は、比べるも何もやるしかないという気持ちしかなかったような気がします。

人と比べて生き方を決めるのではなくて、本当にやりたいことをする。


偏差値? 合格率?


やる前から諦めるなんて後悔だけしか残らない。

我が家は、今年娘二人ダブル受験!

比べられることで自分を見失わないように支えてあげたい。

そうしてくれた91歳の母と、命をかけて比べない生き方を教えてくれた父に、今日は感謝したいと思います。

                                  院長 野村

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