大変ご無沙汰しておりました。
お正月から全くブログの更新ができておらず、いつも反省してばかりです。
ちょっと言い訳がましいのですが、なぜか年が明けると、やりたいことがドンドン増えてくるんですね。
今年も昨年と同様に資格試験のために週末は講習を受けに動き回っています。
頭の中が整理がついていないので、ブログまでたどり着けない…
しかし、3年前に開業してから今までいろいろ学ばせていただいたことが、すべて繋がり始めたような感じもします。
やっぱり、無駄かなあ、本当に必要かなあって思っていたことでも、絶対に意味がありますね。
後になって感じることが多いのですが、それが毎日感じられるためにはどうすればいいのか。
国際コミュニオン学会名誉会長 鈴木秀子先生のお話から、今日はちょっとそんなことを考えてみました。
毎日を丁寧に生きるコツは「いま、ここ」に意識を集中する習慣をつけることです。
鬱病の人たちなどは過去のことをいつまでも後悔したり、未来をあれこれ思い悩んだりする傾向がありますが、現実にはまっさらな「いま、ここ」しかありません。
いま、この瞬間は過去も未来も悩みも存在しないのです。
これは私自身が日々心掛けていることでもあります。
私の一日は朝五時のお祈りから始まりますが、手帳を開くと講演や執筆、会食、相談などスケジュールがみっちり詰まっている日も少なくありません。
しかし、一度にできるのは一つだけ。
いまここに溢れる神様の愛を、目の前の人に伝えていきたい、という思いで、その一事だけに集中します。
それがたとえ百㌫でなかったとしても自分で精いっぱいやれたと思ったら自己完結させて次のことに取り掛かります。
過去に戻ることはしません。
前も後ろも断ち切っていまここに思いを注ぐ、禅宗で言うところの前後際断の生き方です。
その習慣を積み上げていると、丁寧に生きることの意味が分かってきます。
自分が使う椅子や机、本、パソコン、自然の光景、出会う人たちなどに自然と意識が向きます。
「ああ、この椅子のおかげでゆっくりくつろげる。誰がどのような思いでデザインし組み立てたのだろうか」
「目の前にいるこの人は、どのような人生を送ったのだろうか。もっと話を聴いてみたい」といった思いが込み上げてくるようになるのです。
その方とお話しする時は、自分が何か話したいという頭の動きをいったんストップさせて、相手が伝えたいことに意識を集中するようになります。
そして、いま、ここに集中しながら丁寧な生き方を続けることは、目の前の試練から抜け出す一つの秘訣でもあります。
末期のがんに侵され余命一か月と宣告された二十六歳の青年がいます。
人生もこれからという時にがんを発症し、本当ならば自暴自棄に陥っても不思議ではありません。
しかし、彼は傍目には辛い状況であるにもかかわらず、いつも明るく楽しそうに過ごしていて、
私に初めて会った時には「この病気のおかげで鈴木先生とお会いすることができました」という
驚くような言葉まで出てきたのです。
そこから伝わってきたのは、自分の病気を受け入れ、残された命の一瞬一瞬を精いっぱい輝かせて生きていこうとする青年の真摯な生き方でした。
五分間という僅かな時間ですが私も数回、青年の病室を訪ねてお祈りをしました。
またご家族を教会に呼んでシスターたちと一緒にお祈りしたこともあります。
不思議なことに肝臓全体に広がっていたがん細胞がいつの間にかとても小さくなっているのです。
そのために本人はほとんど苦痛を感じなくなるまでになっています。
子供の病気の中には、不仲の両親を繋ぎ留めるために起こるものもあると言われていますが、青年の両親もまた決して仲がよいとはいえない状態でした。
しかし、いまは息子さんの病を通してお互いの生き方を省みつつあります。
私たちが体験する出来事に意味のないものは何一つとしてありません。
目の前にいる掛け替えのない家族。
その一人ひとりの長所や素晴らしさもまた、丁寧に生きることによって見えてくるのです。
鈴木秀子(国際コミュニオン学会名誉会長)『致知』2014年11月号「魂を伝承する」
人は心の深いところでつながっていて、お互いに影響しあいながら調和を持って生きているというもの。
そのために、周りの人を理解し、長所も不都合もあるがままに受け入れることを大切にすると、何かに気付くはずです。
実は当院にもがんの患者さんが通院されておられます。
私が循環器内科ということからも、患者さんの力にはなれないことが多いのですが、少しでも何かできることはないかと考えています。
あきらめていたことが、あきらめなくてもいい。
少しでも希望を持つことができれば、何かが変わるかもしれません。
世間一般で信じられている「それは無理」とか、「努力しても無駄」ということから自由になる。
不安や悩み、苦しみから自由になるためには、世の中の通説、常識、ルールを自分の意志、行動で変えてしまえばいい。
こう考えると、人生はかなり面白くなりそうです。
当院でも奇跡が起きるかもしれませんよ。
院長 野村