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今日が笑顔であるために

2013年03月11日

今日、東日本大震災から2年を迎えました。

 

TVでも復興に関しての話題が多く報道され、様々な立場の人達が、様々な意見を述べています。

 

前向きな言葉、後ろ向きな言葉。

 

聞いていて、悲しくなったり、辛くなったりすることもありますが、被災地の方々の、「これから良くなっていきますよ」という前向きな言葉を聞くと、逆にこちらが勇気をもらったりします。

 

一番苦しい人が前向きに生きようとする姿は、周りにものすごい影響力を持ちます。

 

患者さんでも、前向きに治療を受けられる人は、難しいと思っていたことが上手くいったり、不満や不安を訴える人は、思わぬ合併症が起ったり。

 

私の16年という短い医師人生の経験からではありますが、患者さんの病気に対する姿勢が医師の力に影響しているのではと感じます。

 

 

病気は何かに気づくもの。

 

 

当院の掲げるコンセプトなのですが、挫折、失敗、事故など、不運だと思われる出来事から何を学ぶのか。

 

決して順風満帆に生きている時間では得られない成長がそこにはあります。

 

 

 

震災とは関係のないエピソードなのですが、先日友人から頂いたメールに歌手の華原朋美さんのお話しがありました。

 

みなさんもご存知のように、彼女は薬物依存で人生が大きく変わり、人生のどん底に落ちて行ってしまいました。

 

 

 

 

 

立ち直るチャンスは本当にたくさん頂いたのに、それを生かすことができなくて・・・

プライベートで恋愛でガタつくと、一気にバランスが取れなくなってしまって。

私には何より仕事が大事なのに、彼ができるとそれが見えなくなっちゃう。

そういう自分が一番ダメでしたよね。


今思うと、いろんな意味で幼かった。

普通なら20代っていろんな経験から学ぶ時だけど、それを薬物依存による入退院だったり、薬物の影響下から抜けきれない不安定な精神状態のまま過ごしてしまって、いろんな意味で自立できないまま、年だけ重ねていってしまった。

でも、いい加減そのせいにしたくないなって今は思っていて・・・


厳しい世界だし、戻ったからといって歌い続けられという保証もない。

5年のブランクで、生きていられるだけでも幸せ。

健康でいられるだけでも幸せ。


家族の愛を近い距離で感じられるようになったその場所が一番大事であって、「ずっとそこにいればいいのに、なぜ?」って、何度も自問自答した。

そこには、いろんな感情があって、ひと言で表せないんですけど、最終的には、もう一度チャンスを頂けるのならというか、もう一度信じてもらえる自分に戻ることが、スタートラインのような気がしたんです。


確かに過去の私はボロボロだった。

だけど、それで終わりじゃない。

その気になれば「人生はいつからだってやり直せる」それを実践していこうって思う。


復帰第一弾は、話題の映画「レ・ミゼラブル」の日本語版劇中歌。

スーザン・ボイルさんが歌ってチャンスをつかんだ「夢やぶれて」

「この歌を歌うために今までがあったんだね」って言ってもらえたら、苦しかった過去も報われるんじゃないかって。

宝箱になる気がしてるの。

苦しかった時期のすべてをそこに注ぐことでやっと過去の自分を成仏させてあげることができるみたいな(笑)。


先日も握手会に高校時代の友人がきてくれたり。

ケンカしちゃった友人も「こんなふうに頑張ってるなら私にもできるんじゃないか、と変な自信がついたよ」。

「あの時は絶対に復帰なんてムリ。薬の飲み過ぎでおかしいんじゃないかって見てたけど、今は見返された気分」って仲直りできたり。

失った信頼をひとつひとつ回復していくこと。

犬を二匹飼ってるんですけど、彼らとの信頼回復もまだまだこれからなので(笑)。

もちろん、そう簡単じゃないことは承知の上なので、何年かかろうとも誠心誠意取り戻していきたいです。


どのツラ下げて「また華原朋美とか名乗っちゃって、頑張ろうとしてるわけ?」って思う人もいると思う。

でもそこに立ち向かっていかなきゃいけない。

恥ずかしいことだけど、堂々としてなきゃいけなしって、戸惑う自分もいるけど、相応の覚悟はしてます。


背を向けずにいてくれた方も、そうじゃなかった方も、ひとつひとつ大事にしていきたい。

とにかく怠ることはしないように。

怠ることは簡単で、過去の自分は実際に怠ってしまっていたから。

でも、私にはもう次はないので。

二度と後悔するようなことはしたくないし、「大事に丁寧に、そこは焦っちゃダメだぞ」って言い聞かせる感じですね。


「自分自身に悔しかった」と言ったけど、きっと同じように「悔しさ」を抱えている人も多いと思うんです。

夢を捨てることは簡単だけど、まだ踏んばれる。

やり直せる。

どちらを選ぶのも自分次第だから、一緒に頑張ろうって、そういう姿を見せていけたらいいな。


“華原朋美生まれ変わる”

 



                     『ヌメド・トウキョウ 65 2013年4月号』扶桑社

 

 

 

2年前の大震災は、多くの方々の人生を変えてしまいました。

 

私たちは、その多くの方々と様々な形でかかわって生きています。

 

もしかして、今日初めて会う人は、被災した方かもしれません。

 

その人に直接何かができなくても、今があることを少しでも “ よかったな ”って思ってもらえるためにできること。

 

 

 

今の自分があるのは、そんな大変だった時があったから。

 

 

今日が素晴らしい一日になりますように。

 

 

                                    

 

                                       院長 野村

 

 

 

 

 

 

 

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