みなさんは、新しいものは好きですか?
それとも、古いものが好きですか?
私は、靴や服は10-20年も使っているものが多いのですが、実はけっこう新し物好きなんです。
「これいいな!」って思ったら、すぐに欲しいタイプ。
しかし、そういった考えは、どうも自分の持っていないもので何か着飾っているのかなと思うようにもなりました。
それが目標が高いと言えば聞こえがいいのですが・・・
自分の持っている力。
今日は、医学博士で、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っておられる中野信子さんが、自分の持っているものについての考え方を面白くお話しされていたのでご紹介したいと思います。
「運のいい人になる」には、「いまの自分を最大限に生かす」こと。
私は、これが運のいい人になるための絶対条件だと思っています。
今の自分、自分の体、自分の考え、自分の価値観、自分の直感など、とにかく自分のありとあらゆるものを生かすのです。
今の自分を最大限に生かすというのは「自分を大切に扱う」ということでもあります。
新しい何かを身につけたり、得ようとするのではなく、すでに自分に与えられているものを生かしきるのです。
たとえば、朝はいた靴下に小さな穴が開いていることに気づいたとします。
こんなとき、運がいい人というのは「今日は外で靴を脱がないからこのままはいていってしまおう」などとは考えません。
ちゃんと靴下をはき替えるのです。
あるいはひとりで食事をするとき。
運がいい人は、安易にコンビニのお弁当ですませようとはしません。
心のこもった料理を出してくれるレストランに足を運ぶ、または簡単なものでも自分で作るのです。
つまり、自分を粗末にせず、自分を大切に扱う。
他人を敬うのと同じように、自分自身を敬うのです。
ナディーヌ・ロスチャイルドは、もともとはフランス・パリの小劇場の女優でした。
彼女は貧しい家庭に生まれ育ち、中学卒業と同時に家を飛び出し、印刷所や町工場などで必死に働きます。
やがて小劇場の女優となるのですが、大人気スターというわけでもなく、だれもが一目置く美人というわけでもありませんでした。
そんな彼女が、あるときロスチャイルド家の中心人物のひとりであり、世界の大富豪のひとりでもあるエドモン・ロスチャイルド男爵と出会い、結婚、美と贅沢の世界を手に入れるのです。
彼女は
「もしあなたがひとり暮らしなら、部屋は常にきれいに片づけるべきです。
ひとりでお茶を飲むとしてしても、ふちの欠けたカップなどではなく、いちばん上等なカップを使ってください。
家でひとりで夕食をとるなら、帰りにお花とおいしいデザートを自分に買ってあげましょう」
とも言います。
つまり、自分で自分を好きになれるよう、自分自身に心を配る。
自分で自分をかまうべきだ、というのです。
その人の運の良し悪しは、周囲の人といかに良好な人間関係を築けるかということに大きく左右されますが、自分を大切にしている人は他の人からも大切にされるのです。
逆に、自分を粗末に扱っている人は、他人からも粗末に扱われるようになってしまうのです。
身なりのきちんとした人には思わず敬語を使いたくなりますが、身なりにあまりに無頓着な人にはその気はなかなか起こりません。
『科学がつきとめた「運のいい人」』サンマーク出版
新しいものを手に入れると、なんだかそれだけで自分が変わったかのような錯覚をしてしまいます。
私は、本が大好き(医学書ではありません!)で、よくamazonで衝動買いしてしまうのですが、買って積んでおくだけの積読(つんどく)が多くなってきました。
その本を買ったことで、あたかもその知識が入ったかのような気分になるわけです。
もしかして、そこには “ 自分にはない ”という気持ちの焦りなのかもしれません。
自分を最大限に生かす人は、ないことを嘆くのではなく、今あることに感謝している。
ヒトもモノも、もっと大切にする人でありたいと思う日々です。
院長 野村