今日は、あるファミレスの店員さんのお話から紹介したいと思います。
両親と男の子2人の4人家族がいました。
お兄ちゃんは重度の食物アレルギーを持っていて、食べ物も好きに食べれないという状態でした。
そんなある日、弟が学校でいじめられて帰ってきました。
理由を聞くと「僕だけフェミレスに行ったことがないからって仲間外れにされた」と。
お兄ちゃんの食物アレルギーがあるため、家族みんなでファミレスどころか外食もしたことがない状態でした。
それを聞いた母親は、父親と相談して、一度弟をファミレスに連れていく事にしました。
家族4人でテーブルに座り、「日替わりランチ2つとお子様ランチ1つ」と注文しました。
4人なのに注文は3つなので、不思議に思った店員は「お子様ランチは1つですか?」と聞き直しました。
母親は、ファミレスに来るまでの経緯を話しました。
お兄ちゃんが重度の食物アレルギーで食べるものも制限されていること。
それによってみんなでファミレスに行ったことがないことを弟がからかわれたこと。
それでも、できるだけ子供には不自由な思いをさせたくない事。
すべて話終わると、カバンからタッパーを出して「これをお兄ちゃんにここで食べさせてもよろしいでしょうか」と言いました。
食中毒など店側の衛生管理上の問題、店側の決まりにより本当はだめだということも母にはわかっていました。
店員は、「そうですか・・・・そのタッパーを私に渡してください」と言い、母からタッパーを受け取り奥へ下がってしまいました。
やっぱりだめかと落胆する母。
そんな中、注文した日替わりランチとお子様ランチが出てきました。
弟はとても喜んでいましたが両親は素直に喜べませんでした。
次の瞬間、もう一つの料理が出てきました。
母が持ってきたタッパーの料理がきれいに盛り付けされ、真ん中には弟と同じ国旗がついていました。
「はい、これがお兄ちゃんのお子様ランチだよ。」
店員の思いがけない言葉と、嬉しそうに喜んでいる兄弟の姿を見て両親は涙が止まりませんでした。
以前、ディズニーランドの「マニュアルを超えたサービス」と言うことをお伝えしたことがありますが
このファミレスの店員さんも同じです。
食事を楽しむためには味はもちろんですが、見た目、雰囲気、環境などいくつもの要素が必要です。
このお兄ちゃんにとって、味や素材を変えることはできませんが、だから諦めるのではなく、
できる範囲で、最大限のおもてなしを考え、提供することが最高のサービスだと思います。
これは、日常生活の中でも言える事です。
あれがないから、これが足りないからと出来ないことを無いもののせいにするのではなく、
限られたものの中でも、何ができるか考えそれを最大限に表現することが相手の心に近づける1歩です
子供たちもよく「○○がないからできん」と言います。
子供たちはまだ ‘‘限られたものの中で何かをする‘‘と言うことを考えるのは難しい年齢です。
私たち親が、導いていく事が大切ですね。
導く中で私が失敗すると娘に
『だめじゃ~ん』と言われることもありますが・・・
根気強く、繰り返し伝えていきたいと思います。
看護師 森