みなさんはどんな思い出がありますか?
いい思い出も、嫌な思い出もあると思います。
嫌な思い出も、自分の一歩踏み出す勇気や周りの人のちょっとした気遣いで、感動し、いい思い出に変わることもあります。
ここで、悲しかった事が、一つの出来事をきっかけに大切な思い出へと変えることができたご夫婦のお話を紹介したいと思います。
そのご夫婦は、生後まもなくお子さんを亡くされました。
ご夫婦は自分たちを責め、立ち直れない日々を過ごしていました。
このままではいけないと、生きていたら1歳になる子供の誕生日に以前より“子供ができたら行こう“と話していた東京ディズニーランドに行きました。
しかし、周りは子供連れでとても幸せそう。そのご夫婦は、余計に辛く感じたそうです。
今すぐにでも帰りたいとさえ思いました。
そんな中、あるレストランに入りました。
キャストに、二人席のテーブルに案内されました。
二人は、子供が生きていたら食べさせてあげたかったお子様ランチを注文しました。
当然、『お子様ランチは年齢制限がありますので、他のご注文をお願いします』と言われました。
二人はキャストに事情を話しました。
すると、キャストは『失礼しました。お二人ではなく三名様だったのですね。申し訳ございません私のミスです。こちらの席に移っていただいてもよろしいですか?』
と四人席のテーブルに案内しました。
そして、子供用の椅子を準備し、三人分のお子様ランチの注文を受けると、『どうか、家族でごゆっくりお楽しみ下さい』と笑顔を残して立ち去りました。
ご夫婦は涙を流し、来年も家族でここでお祝いしようと思ったそうです。
ご夫婦にとって、辛い娘の誕生日だった日が年に1回、家族で過ごせる楽しい日になり、毎年そこでお祝いすることで、1年1年大切な思い出が増えていく。
その1つ1つの思い出の中にそのキャストは常に登場する事でしょう。
私は、このキャストのマニュアルを超えるサービスと心遣いに心を打たれました。
さらに、そのマニュアルを超えるサービスをキャストが自己判断と自己責任で行い、その行為を上司も他のスタッフも称賛する。
それは、従業員全員が同じ思いを持ち、お客さんに心からの関心を寄せ、お客さんの幸せや感動に奉仕しようと積極的に動いているからこそできることだと思います。
『自分から感じて動く』
それが感動と出会うための一歩です。
その一歩を大切にして、小さな行動から大きな感動へとつなげていけたらと思います。
みなさんはどんな一歩を踏み出しますか?
看護師 森