今日は、久しぶりにゴルフコンペに参加してきました。
初めてお会いする人とゴルフをするわけですから、そんなに上手くはないゴルファーの私にとっては、かなりのストレスなわけです。
しかも、今日ご一緒させていただいた方々は、とある病院の院長先生と事務の方なのですが、今回のコンペの1位、2位のスコアを出された方でした。
なので、自分のプレーの不甲斐無さと、レベルの差と、ダブルパンチなわけです。
でも、ゴルフというスポーツは、それぞれの目標があって、自分にとってはすごいスコアなのに、上手い人にとってはそうでもないということもあり、勝ち負けはあるのですが、結局は自分との勝負なんです。
そんな勝ち負けの価値観を心療内科医の海原純子先生は、おもしろい表現をされています。
勝ち組、負け組という言葉。
好きではないが、このところすっかり、日常生活に定着してしまった。
勝ち負けの基準とは何か。
収入、学歴、持ち家、仕事の業績、売り上げなどなどだろう。
たとえば、売り上げの多い人が勝ち、少ない人は負け、という「世間の物差し」で勝敗が決まる。
もしあなたが、「世間の物差し」しか持っていなかったら、大変だ。
収入が低かったり、売り上げが悪ければ自分は全くダメな人間となってしまう。
今、自信がなくて元気がない人が日本に多いのは、「世間の物差し」しか持って いない人が多いからだと思う。
アメリカは、日本よりもっと格差がはっきりした社会である。
そして、お金を持つことが明確に勝ちとされる物差しが存在する。
ただし、「世間の物差し」では負け組みだが、自分には別の物差しもあって、好きで絵を描いて作品を作っています、とか、仲間とバンドをやってます、とか、 教会で歌ってます、などという人によく出会う。
そのような人は、「自分はダメな人間」といじけてしまうことはない。
「世間の物差し」と別の物差しを持てば、いわゆる世間の勝ち組にはなれなくても、人生を楽しむゆとりができる。
対人関係も同様で、役に立つ人とだけつきあおうとせず、自分が一緒にいて楽しくくつろげる相手とかかわるようになるから、いい仲間ができる。
収入、学歴、美しさ、地位という「世間の物差し」は目に見える基準である。
こうした基準をもとにして、それを目標に目指すことを外在目標志向という。
これとは対照的に、家族や友人との関係を満足なものとして努力することに価値をおく内在的目標志向がある。
外在的目標志向が世間の評価や他人の目に依存しているのに対し、内在的目標志向は、その人自身の内的な充足感に価値をおいている。
調査の結果、外在的目標設定をする人は抑うつ的であり、幸せ感や喜びの感情を 味わった経験が少なく、頭痛や倦怠感などの症状の訴えが多いことがわかったと いう。
ハーバード大学のI・カワチ教授は、「アメリカンドリームを追い求めるとあな たの健康を害するおそれがあります」という警告を、政府は出すべきかもしれな い、と著書のなかで述べている。
『大人の生き方 大人の死に方』 海原純子 毎日新聞社
今日は自分では納得いかないプレーだったのでですが、ドライバーはガンガン飛んでいたんです。
しかし、そのあとがチョロチョロで、「飛ぶだけではダメですね」と嘆いていたら、院長先生が、「近いのは誰でも上手くなる。でも、飛ばすのは誰でもできないからね」と励まして頂いたんです。
そのほかにも、なるほどなあと感じる言葉を聞いたり、勝負には負けましたが、今日はゴルフを通じてとてもいい勉強になりました。
ところが最後に、「ゴルフが上手いやつは、仕事もできるやつが多いぞ」と。
やっぱり飛ばすだけのアメリカンドリームを追い求めると、健康も経営も害する恐れがあるようです。
院長 野村