今日は日曜日。
特に予定もなかったので、子供たちと遊ぶこともできたのですが、最近は子供たちのほうが休みに予定が入っていて、何やら忙しいようです。
こういう時は、普通は家で溜まっていた本を読むのですが、ただ単に読むだけではこの運動不足の体に良くないと思い、フィットネスクラブでバイクに乗りながら本を読むことにしました。
20㎞ほど走りましたが、本を読みながら走るのは、ちょっと車酔いした感じでしたね。
本もあまりページ数も読めなかったので、中途半端と言えばそうなのですが、しかし、読んだ本から今日も大きな気づきをもらいました。
自分が正しいと思い込みが強い人ほど、自分の気持ちを通すために、他人の感情を踏みにじって行く。
相手の自尊心など全く考えない。
人前でもかまわず、部下や子供を叱り飛ばす。
もう少し考えて、ひとことふたこと思いやりのある言葉をかけ、相手の心情を理解することができれば、うまくいったかもしれないのに・・・
強い上司にありがちな話ですが、ここまでないにしても、私達は多かれ少なかれ意見を通す時に、これに似た感情を持っているかもしれません。
今の政治を見ても、こういった人が多いですね。
大阪市長の橋下さんもパワーがありますが、あのパワーをいい表現の仕方で使ってほしいを思います。
こんな話は、会社や組織だけのような気もしますが、実際には一番身近なところ“家庭”にも言えることかもしれません。
ハリウッドの映画プロデューサー、マックス桐島さんも、おもしろいお話をされています。
おしどり夫婦として知られていた、僕の友人のある中年映画スターの話です。
ある晩、「今日、また例の株のブローカーが電話してきて、これは絶対儲かるってうるさいったらないのよ」と文句を言い出した妻に、彼はいつもの調子でこう答えました。
「まともに取り合うからダメなんだよ。セールス電話はお断りとか、番号を確かめてから受話器を取るとか、方法はいろいろあるだろう」
すると、妻の形相が変わり、怒りの矛先はブローカーから夫へ、夫婦の間で大論争になってしまいました。
数ヵ月後、出演してもらった映画の打ち上げパーティーで隣り合わせたその妻は、
「彼はいつも解決法だけ助言するので、会話が不完全燃焼。男ってみんなそうなのかしら?私はただ、いかに大変だったかを聞いて欲しいだけなのに…」
と、僕にボソっと呟きました。
なるほど、女性は解決法を探しているのではなく、胸のつかえを吐き出したいだけなのだと悟った僕は、その会話の内容を彼に伝えてあげました。
以後、彼は妻が文句を言い出した時、こう答えるようになったそうです。
「そうか、僕の留守中いろいろ大変なんだね、君も…」
解決法という「出口」を案内しなくても、相談に乗ってあげるだけで妻はスッキリ。
家庭円満と相成った。
「訊(き)かれもしないアドバイス」、「求められていない助言」は要注意。
『ハリウッドに「中年」という概念がないその理由』日文新書
相手は、苦しかったことや、辛かったことなど、ただ話を聞いてもらいたいだけなのに、そっけない応対だったり、冷たい返答だったりすると、悲しみを通り越して、怒りさえ湧いてくる。
“なぜ、私のこの気持をわかってくれないのか”
相手がたとえ誰であろうと、アドバイスを求められない限り、助言や解決策を提示しないほうがいいかもしれません。
それは、その人に降りかかってきた問題は、どんな難問であろうと、解決はその本人しかできないし、たとえ自分が正しく、相手が絶対間違っていても、否定することは、心を傷つけるだけに終わることがあるからです。
航空界のパイオニアで作家のサンテグジュペリも次のように言っています。
「相手の自己評価を傷つけ、自己嫌悪に陥らせるようなことを言ったり、したりする権利は私にはない。大切なことは、相手を私がどう評価するかではなくて、相手が自分自身をどう評価するかである」
実は、今日は妻からすごい前向きな発言があったのです。
今まで何度も言ってきたことだったのですが、今になってようやく気付いたということは、自分自身で何か感じることがあったのでしょう。
自分がその気にならなければ、どんないいアドバイスも、うわの空でただ聞き流されるだけ。
いかに今まで自分自身が横柄な態度だったか、今日は妻から教えられました。
問題は、この謙虚な気持ちをいかに持続させることができるか?
これは、かなり大きな問題です!
院長 野村