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割れた心の窓

2013年11月12日

「いかなる理由があろうとも街を汚す行為に正義はない」

 

 

これは、イエローハットの創業者の鍵山秀三郎さんの言葉です。

 

鍵山さんは掃除運動の草分け的な存在であることは知っていましたが、ある雑誌の沖縄問題のインタビューのなかで、この言葉に納得させられました。

 

 

 

連日、沖縄米軍基地前では、平和を訴える活動家たちが激しい抗議活動を行っている。

 

しかし、そこには本当の平和活動はない。

 

「反米」「反スプレイ」

 

抗議活動として米軍基地のフェンスに赤いガムテープが巻かれている。

 

米軍兵士、その妻、子供たちまで「ヤンキー ゴーホーム!」と罵声を浴びせ、周辺のフェンスを汚す。

 

基地は汚され、時には車で基地を出ようとしているところに押しかけ、プラカードで窓を塞ぎ、罵声を浴びせる。

 

地元の小学生たちの通学路でも、怨念の満ちたテープを貼り、汚したまま放っておく。

 

反戦を叫んで街を汚す行為を子供たちに見せることが、どれだけ非教育的で恥ずかしいことか。

 

汚された街を大人たちが懸命に掃除をする姿を見て育った子供たちが自ら進んで掃除をするようになる。

 

これこそ本当の健全な教育だと思います。 (致知 2013年12月号より引用)

 

 


こういった現状を鍵山さんは “ 掃除 ” を通じて世の中を良くしていこうと行動されています。

 

 

確かに、 “ 掃除 ” は学問的な理論でもメリットは証明されています。

 

この理論は「ブロークンウィンドウ(割れ窓)理論」と呼ばれるもので、「一枚の割れた窓を放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他のすべての窓も壊され、その建物全体が荒廃し、いずれ街全体が荒れてしまう」という小さなきっかけが大きな結果をもたらす現象のことをいいます。

 

この理論を清掃に当てはめたところ大成功した街があります。

 


その街が、ニューヨークです。

 

 

 

ブロークンウィンドウ理論は後に、世界有数の犯罪都市アメリカ・NY市の治安対策に使われました。

 

いまから約20年前の1980年代、NY市では、なんと年に60万件以上の重犯罪事件が起きていました。

 

当時、「旅行者はNYの地下鉄には絶対乗るな」と言われたくらい、その治安はひどい状態でした。

 

アメリカのラトガース大学のケリング教授は、このブロークンウィンドウ理論に基づき、NYの地下鉄の凶悪犯罪の抑制に、落書きを徹底的に消すことを提案しました。

 

落書きが放置されている状態は、窓ガラスの割れた自動車と、同じであると考えたからです。

 

そして、当時の交通局のデヴィット・ガン局長は、ケリング教授のアドバイスのもと、治安回復を目指して、地下鉄治安崩壊の象徴ともいうべきこの落書きを、徹底的にそうじするという方針を打ち出しました。

 

 落書きを消すという驚くべき提案に対して、交通局の職員たちは、「まずは犯罪を取り締まるべきだ」と猛反対をしました。

 

 確かにそう思いますよね。

 

落書きも問題だけれども、まずは小さな問題よりも大きな問題である凶悪な重犯罪事件を早くなんとかしなければと思うのは当然の反応です。

 

しかし、ガン局長は、落書き消しを徹底して行う方針を断行。

 

その後地下鉄の車両基地では、交通局の職員によって、約6000もの車両の、一面に書かれた落書きを消していくという、途方もない作業が行われました。

 

そして、プロジェクト開始から5年後の1989年、ようやくすべての落書き消しが終了しました。

 

するとどうでしょう!

 

それまで増加する一方だった地下鉄での凶悪犯罪の増加がゆるやかになったのです。

 

そして、なんと2年後には、重犯罪が減少しはじめ、1994年には約半分にまで減少。

 

結果的にNYの地下鉄の重犯罪事件はなんと75%も激減したのです。

 

その後、1994年、NY市長に就任したルドルフ・ジュリアーニ市長は、地下鉄で成果を上げた犯罪抑制対策を、NY市警察に導入しました。

 

NYでは、落書き消し、歩行者の信号無視や空き缶の投げ捨てなど、軽犯罪の取り締まりを徹底的に続けた結果、犯罪発生件数が急激に減少しました。

 

そして、犯罪都市の汚名を払拭することに成功したのです。

 

 

                    (夢をかなえる「そうじ力」  舛田光洋 著 より引用)

 

 


当院でも、毎日、スタッフ全員で診療後にはクリニックの掃除をしています。

 

もちろん、私もトイレ掃除をしています。

 

からだをきれいにしようと思われて来られている患者さんは、病院はきれいであってほしいと思われているはずですし、働いている私達も、きれいにしているときれいでいたいと思います。

 

私もイライラした時は、必ず部屋の掃除や、家のトイレ、お風呂の掃除をします。

 

すると、気持ちが落ち着きます。

 

人の体調は五感に影響されますので、身の回りが散らかっていると散らかっててもいいという感覚が脳にあるわけですから、整理がつかない。

 

なので、目で見てきれいだと思う状況をつくると、頭の中も整うわけです。


もし体調が悪かったりイライラしていることがあれば、ちょっと周りを見渡してみてください。

 

そう言えば、気になるところを片づけていなかったと気付いたら、片づけてみませんか?

 


少しのことが、自分のこころの平和になり、家族の平和、日本の平和、そして世界の平和に繋がるような気がします。

 


                                       院長 野村

 

 


 

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