食と健康(ダイエット)セミナーが、先週の土曜日で10回目を迎えました。
この1年間で約80名ほどの方々にお話しをさせていただましたが、その中には、セミナーをきっかけにご自分の健康を真剣に考え、病気を前向きに受け入れながら当院へ通院されている方がおられます。
嬉しいことに、その方達からは、「病院へ来るのが楽しい」と言っていただいています。
この言葉は、医療従事者冥利に尽きると言ってもいいほど、ありがたい言葉です。
できれば行きたくない場所である病院が、楽しい場所であること。
これは、“病気は何かに気付くためのもの”という当院の考え方を理解していただいた結果だと感じています。
病気から何かに気付くという概念には、松下幸之助さんもこのように言っておられます。
ある幹部社員が病に倒れ、入院した。
「一年くらいの療養が必要」「絶対安静」「面会謝絶」とつぎからつぎに出される医師からの宣告に、
すっかり気落ちしてうつうつとベッドに身を横たえていたときである。
幸之助が突然ひょっこり見舞いに訪れた。
予期せぬ訪問に驚き、置き上がろうとする社員を「起きんでもええ、起きんでもええ、病人は休んでおるもんや」と制して幸之助は言った。
「きみ、病気してよかったな。せっかく病気したんや、病気を大事にしいや。
君も知ってのとおり、ぼくは若い頃から体が弱かった。
よう病気になったけど、今はその病気に感謝してるで。きみも感謝しなあかん。
ぼくはな、病気ばかりしていたけど、病気から逃げたことはなかったで。
病気と仲よくつきあってきたんや。きみも、病気を恐れとったらあかん。
病気は恐れて逃げとったら、あとから追いかけてきよるで。
きみが病気と仲よく親しんで、これも修練と積極的に近づいていけばいくほど、向こうから逃げていきよるんや。
病気と親しくなれば、病気のほうから卒業証書をくれるもんや。
きみな、お医者さんの言われることはよう聞かなあかんで。
きみな、お医者さんの言われることはよう聞かなあかんで。
そやけど、ほんとうの主治医はきみ自身や。
お医者さんは、きみにとってのいちばんのアドバイザーや。
大丈夫、きみの病気は必ず治るよ。
病気を大切にして、治ったら病気に感謝しいや。
病気さんありがとうという気持ちで、何か記念行事をやりや」
『エピソードで読む松下幸之助』PHP新書
最近、私の周りも思いがけない病と直面する方々がいます。
しかし、病気も、災難も、全て身のうち。
私たちの体は、私たち自身であり、そこには、生きてきた結果がすべて刻まれています。
世の中には、奇跡ということが起きることがありますが、医療においても、病気を受けれた時に奇跡が起こっているようにも感じます。
もしかして、奇跡を起こす名医は、あなたなのかもしれません。
院長 野村