今日は、今月から当院の多目的ホールで開催するストレッチ教室のデモンストレーションを行いました。
アロママッサージをコラボしたものでもあり、参加者の方々も、とても喜んでいただき、普段の医療現場では見られない皆さんの笑顔に出会うことができました。
今月から、“元気な高齢者をもっと元気に”と称して開始した多目的ホールの活動で、様々なジャンルで活躍されている方々とお会いさせていただいていますが、健康を提案する立場にもかかわらず、自分自身が得るものが多いことを感じます。
救急医療に長年携わってきたことを考えると、今は全く違う光景が目の前にあるのですが、これも今まで積み重ねたものの上に立って見えるものであり、何か人生のタイムラインを真っ直ぐ歩んでいるような気がします。
ひとそれぞれ歩む道は違うのですが、松下幸之助さんは、晩年自分自身の人生を振り返ってこのように語っておられます。
自分には、自分にだけ、与えられた道があると思う。
どんな道かは知らない。
ぜったいに、ほかの人には歩めない。
自分だけにしか歩めない道があると思う。
しかも、その道は、二度と歩むことのできない、かけがえのない道だ。
その道は広い時もある。
せまい時もある。
のぼりの時も、くだりの時もある。
坦々とした時もあれば、かきわけ、かきわけ、汗する時もある。
この道は、はたして歩いて行ってよいものだろうか。悪いものだろうか。
思案に、押しつぶされそうになる時が何度もある。
そして、なぐさめを求めたくなるような時も何度もある。
しかし、所詮はこの道しかないのだ。
あきらめるというのではない。
いま、立っているこの道、いま、歩んでいるこの道、とにかく、この道を休まず歩むことにしよう。
自分だけにしか、歩むことのできない大事な道なのだから。
自分だけに与えられているかけがえのない この道なのだから。
他人の道に心うばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しも開けない。
道を開くためには、まずは、歩まねばならぬ。
心をさだめ、一生懸命に歩まねばならぬ。
それが、たとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは、必ずあらたな道が開けてくる。
深い喜びも生まれてくる。
この道が果たして良いのか悪いのか、
思案にあまるときもあろう。
しかし、所詮はこの道しかないのではないか。
よく、“迷わず進め”という人がおります。
わたしは、こういうはなしには違和感をおぼえます。
本当に迷わずに進むという順調な道を歩む人は数少ないと思うのです。
わたしは、やはり、みんな迷いつつ進んでいくものだと思います。
迷いつつ、進んでいくけれども、結論は、道をはずさずして進んでいく。
そしてゴールインする。
こういうことになるのではないかと思うのです。
それが、わたしは人生というものではないかという感じがします。
「道をひらく」松下幸之助 PHP文庫
私の周りには、迷っている人がたくさんいます。
それだけ一生懸命考えている人が多いということです。
そんな人たちとこれから過ごせると思うと、何か大きなものを創ることができる気がします。
ようするに、みなさん “迷って進め” ですよ。
院長 野村