頑張る。
顔張ったらいかん。
顔晴らんと。
私が看護師1年目の時、業務と勉強に追われていました。
勉強したことが業務に反映されない悔しさもあり、毎日、母に電話で愚痴をこぼしていました。
母はいつも強めの口調で「自分で選んだ道なんだから頑張んなさい」と。
その言葉に腹を立て口論となって電話を切るというのが日課になっていました。
口論になるとわかっていてまた電話をしてしまう。
そんなことを繰り返しながら数か月たったとき、母から電話をかけてきました。
「もう、十分がんばったから頑張らんでいいよ。帰っておいで」と・・・。
涙があふれて止まりませんでした。
「頑張れ」と言っていた時の母は、うじうじと愚痴をこぼす私にもどかしさやいら立ちを感じ、表情もこわばっていたことでしょう。
「頑張らんでいいよ」と言った時の母は哀しい表情だったかもしれません。
小さいころからの夢を叶え、これからというときにこの言葉をかけることは母にとっても辛かったと思います。
でも、その一言があったから今の私があるのだと思います。
「十分頑張ったから」
これが、私の頑張るエネルギーになりました。
患者さんでも病気をしたことで今までの生活習慣を変えたりと頑張っている方はたくさんいらっしゃいます。
頑張っていらっしゃる方こそ結果がついてこなかったとき、こんなに頑張っているのに・・・とこわばった表情で肩を落とされます。
愚痴をこぼしてばかりいた時の私もそうですが、できないところ、ダメなところばかりに気持ちが傾いてしまい、100点の自分から1づつ引いていっていたように思います。
しかし、母の一言で今の自分を0点にリセットし、いいところを1づつ足していけるような気持ちの切り替えが無意識のうちにできていたように感じます。
失敗することや、うまくいかないこともたくさんありますが、そんな時は我が家の家訓の1つでもある「どんまい。どんまい」で患者さんが顔晴って頑張れるようにお手伝いできればと思っています。
相手を知り、認め、受け入れる
医療の現場だけでなく、家族、友人、恋人など様々な人間関係を築くうえで大切なことではないでしょうか。
1づつ足し続けて十数年。
今の私は、何点になっているのでしょうか(*^_^*)
スコアチェックしてみたいと思います。
看護師 森