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思いやりのある待ち時間

2014年11月07日

寒くなったためか、この時期は患者さんが多くなってきました。


こういう時には、待ち時間をなるべく少なくするために、スタッフも患者さんの状態にて臨機応変に対応してくれていて、本当にできたスタッフだといつも感謝しています。


私も患者さんを待たせないようにスムーズな診療を心掛けているのですが、しかし最近、それがただ時間だけを気にしたものになってしまっていました。


というのも、今日あるご高齢の患者さんの診察で、私としてはこの治療法が良いと思い、患者さんに勧めていたことがあったのですが、その方はなかなか理解されませんでした。


決して拒否されているわけではなく、ただ納得するまでに時間が必要なのだろうという感じでした。


冷静に考えれば待つことも大切だと分かっているのですが、その時は、なかなか答えのでない会話に少し冷静さを欠いてしまい、否定的な結論にまとめて早く診療を終わらせようとする自分がいました。


遠方の方でしたので、「考えが変わったら、地元の病院でも治療は受けれます」と説明し診療を終わろうとした時、患者さんから、「治療を受けるなら先生にお願いします」と頭を下げられ、ハッと我に返りました。


治療方針は患者さんにとって大切なことであり、ましてや自分を信頼していただいていることにも気づかず、診療の時間や自分の考えにすぐに理解を示されないことを気にして、診療を終わろうとする自分のわがままさに、本当に情けなくなりました。


待ち時間が長くても、待って良かったと思っていただけるようにと常々スタッフに声をかけている自分が、一番できていない。




待つこと。




以前、ある経営塾でご一緒させていただいたこともある生命保険業界ではカリスマ的な存在の牧野克彦さんのお話からも “待つこと” の大切さを感じることができます。





生命保険業界にいる人間の一つの大目標に「MDRT入会基準達成」があります。


全世界の保険営業マンの、毎年年間トップ1パーセントの成績を達成した者だけが入会できるこの基準を、私は14年間達成してきました。


現在は現役保険営業マンである一方、営業研修の会社を設立、指導のために全国を駆け回っていますが、そんな私にもまったく電話ができない、「営業恐怖症」の時期がありました。


車のディーラーから保険の世界に飛び込んだのは35歳の時でした。


幸い、知人や前職でのお客様などアプローチ先が多かったので、入社6ヶ月間で108人のお客様からご契約いただくことができました。


これは同期入社でもトップクラスです。


しかし、次第に私は焦燥感に駆られ始めました。


実はこの数字の陰には何倍もの「NO」があったのです。


「久しぶりに電話をしてきて営業の話?」


「車ではお世話になったけれど、生命保険はいいよ」


「保険はたくさん入っているから」……。


お客様からの「NO」の返事は、私の中で薄皮のように重なって、半年ほどした時、ついに臨界点を越えてしまいました。


家族に心配をかけたくないとの思いから、毎日元気よく家を出るものの訪問先はありません。


喫茶店やパチンコ屋、お金のない時は河原で過ごしました。


眠れない夜が続き、思い悩んだ末に頭に浮かんだのは、前職で面識のあった心理カウンセラーの先生でした。


相談に行ってみると、先生は黙って私の話を聞き、時々ポロッと質問を投げかける。


そうやって私の心の奥底の声を引き出してくれました。


その繰り返しの中で気がついたのは、やっぱり自分はこの世界で成功したいのだ、ということ。


もう一つは、すでに契約していただいたお客様に対して責任を持たなければ、ということでした。


そうしてじっくり自分の言動を振り返ってみると、私は新しく飛び込んだ世界で早く成果をあげたい一心で、かなり強引にアポイントを取りにいっていたのです。


よし、もう一度心を入れ替えて頑張ってみよう。


そして、今度は保険を売り込むのではなく、自分がお客様にできることを率直にお伝えしてみよう。


「一度お断りされた牧野です。あれから3つ勉強したことがあります。そのお話を聞いてもらえますか?」


とお電話してみると、3割くらいの方は「聞いてみてもいいよ」とおっしゃってくださいました。


面談の時も、お客様がいま保険に対して感じていることをお聞きして、「その問題なら私は解決のお手伝いができます。私の考える解決方法を聞いていただけますか?」
  

と質問すると「聞くよ」。


ご説明して、「ご契約されますか?」とお聞きすると「する」とおっしゃるのです。


「いまはいい」「また今度にするわ」とおっしゃるお客様もたくさんいました。


最初は「お断り文句」と受け止めていましたが、よく考えればお客様は「時期」のことを言っているだけで、 商品そのものを必要ないと言っているわけではないのです。


1、2ヶ月間で刈り取ろうとするから「お断り」になるのであって、生涯この仕事を続けていくのであれば、その人は間違いなく「見込み客」です。


一度断られた相手にも、メールやお手紙で情報を送り続けていると、次に保険を見直す時、真っ先に
声を掛けていただけるようになりました。


このように自分の中で「断られない営業法」を確立した私は、再びトップセールスに返り咲き、


1年目からMDRT基準を達成することができました。


そして14年過ぎて思うのは、MDRTに入会するのに才能は必要ないということです。


大切なのは「自分はMDRTメンバーになる」と決めること。


覚悟を定めて行動し続ければいいのです。


高い目標を掲げれば、当然困難はつきものです。


決めていない人は、困難にぶつかると「やっぱりね。自分には無理だったんだ」と安心して諦めます。


決めている人は「この壁を越えたら目標に一歩近づける」と自ら心を奮い立たせ、諦めません。


「この人、営業として大丈夫かな」と思うほど説明下手だった人が、 誰にも負けない努力を続けた結果、ある時グーンと成長し、MDRTメンバーになったケースをたくさん知っています。


そしてもう一つ、大切な資質は「知恵を出す」ことです。


努力は確かに大事です。


しかし、そこに知恵が伴っていなければ結果には結びつきません。


例えば、大好きな女性を振り向かせたいと、朝から晩まで「大好き、大好き」と追い掛け回したら、
本人には「懸命なる努力」でも相手には迷惑以外の何物でもありません。


知恵とは、相手を思いやる気持ちです。


どうアプローチをすればお客様は振り向いてくれるか、その心を感じ取り、慮れない人は結果を出すことはできません。


いま、営業指導をする中で、多くの営業マンが悩んでいることを感じます。


しかし、そのほとんどの原因は「自分のわがまま」です。


お客様(=成績)を自分の望む通りにしたい。


しかしそうならない現実とのギャップに苦しんでいるのです。
 

「わがまま」を取り除き、お客様の望むことをして差し上げれば、必ず結果はついてきます。


決める。


諦めない。


そして知恵を出す。


そうすれば世界の1パーセント層であるMDRTメンバーになることはもちろん、どんな仕事でも必ず結果を出せるのではないかと思っています。



                           牧野克彦(ウィッシュ・アップ社長)『致知』2010年12月号「致知随想」より





以前にも、高血圧の患者さんがタバコを吸っていて、診察のたびに血圧を気にされていたため、だったらタバコを止めましょうと、半分強引に禁煙薬を勧めたことがありました。


結局、その方は禁煙薬は内服されませんでした。


患者さんもタバコは悪いと思っているけれど、止めれない自分がいて、その自分を受け入れてくれて血圧を良くしてほしいと思っているわけです。


これは教育にも言えることで、なかなかできないけれど、それを分かった上で、良い方向に向けてほしい。


お前はダメだからなんて言われたら、はじめからやる気なんかでないですよね。



思ってもできないことがある。


私もそうです。



でもあきらめなければいつかはできる。



みなさん、特に健康には諦めは禁物ですよ!



                                      院長 野村




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