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不公平さを不満に思う響かない鐘

2012年06月10日

昨日、当院に中学1年生の女の子がクラブ中に動悸がすると言ってやってきました。

 

話の内容や検査結果からも病的なものではない印象でしたので、クラブの内容などお母さんにお聞きしたら、小学校時代ではなかった上下関係や様々なプレッシャーなどがあるようでした。

 

その子はとても優しい子で、自分を押し殺して耐えてしまうような子なんです。

 

聞けば、同級生は先輩から可愛がられるのに、自分はそういう接し方がされない淋しさがあるようでした。

 

確かに、一見不公平に感じる話ですが、私はそれは彼女に解決しなければならないものがあると感じたため、彼女には、「可愛がってもらいたいとか、教えてもらいたいとか思う気持ちがあるのであれば、そうしてもらえるように努力しなければいけないよ。黙っていてもチャンスは来ない。まずは自分がどうするかを考えよう」と伝えました。

 

すごくいい子なので、何とか頑張ってほしいと気持ちがこもってしまったのですが、マラソン女子の金メダリスト 高橋尚子さんも、小出監督に教わっていた時に同じようなことを感じておられます。

 

 

 

 

あるとき、小出監督のもとに「監督はみんなを平等に指導してくれない」と訴えに行った選手がいたとか。

 

監督はこう言ったそうです。

 

「えこひいき?そんなの当たり前だよ。みんなもう学生じゃないんだからね」

 

(中略)

 

「どんな職場でも、社会人というのは自分のことを見てもらえるように努力をするものだよ。努力しなければ、見てはもらえない。こっちが指導したいなと思うような選手になりなさい。鐘だってそうだ。

打って響かなければ、もう鳴らしたくなくなってしまう。打ったら響く、そういう人にならなくてはいけないよ。そうでなかったら、俺だってえこひいきするよ。社会人なんだから」

 

小出監督のその言葉は、私にとって本当に革命的な言葉でした。

 

みんな平等、そんな学生時代の当たり前の気持ちから社会人に一歩踏み出した、そして、社会人の厳しさを教わった言葉だったのです。

 

 

                                                               「笑顔で生きる魔法の言葉」 高橋尚子   角川書店

 

 


この厳しい世の中、就職活動だったり、営業だったり、いかに認められるか、やり方、伝え方などみなさん必死に工夫してアピールしているじゃないですか。

 

じっとしていていいことがあるなんて絶対ありえないし、あったとしてもそれは偶然でしかないありません。

 

しかし、こういう私もじっと我慢をしていたらいいことあるなんて考えていたひとりなので、今思えばあの時は何してたんだろうなあって思い返すことがあります。

 

おかげで40過ぎてソワソワし始めました。

 

みなさんも、いいことがあるようにソワソワしましょう。

 

 

                                      院長 野村

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