今日、久々に会った方から、「周り人にうつ病の人が多いのなぜでしょう?」と聞かれました。
日本の自殺者も3万人と減少傾向もありません。
なぜでしょう?
いろいろ原因はあると思いますが、もしかしてそれは、この国が物質的な豊かさを追い求めた結果なのかもしれません。
“もっともっと”
必要以上の要求が、必要以上の悩みを生んでいる。
黒柳徹子さんは、著書『トットちゃんとトットちゃんたち』で、こう語っておられます。
私が会った子どもたちは、みんな可愛かった。
笑っている子ども、ふざけている子ども、赤ちゃんを、おんぶした女の子、さかだちを自慢そうに見せてくれた男の子、いっしょにうたった子ども、どこまでも、ついてきた子ども。
いろんな子どもたちに、会った。
そして両親や姉兄を目の前で殺された子ども、ゲリラに腕や足を切り取られた子ども、親が蒸発し、小さい弟や妹を残された女の子、親友だった家畜が、飢えて死んでしまいぼう然としていた男の子、
家も学校も、すべて破壊されてしまった子ども、難民キャンプを、たらいまわしにされている孤児たち、家族を養うために売春する子ども。
だけど、だけど、そんな、ひどい状況のなかで、自殺をした子どもは、一人もいない、と聞いた。
希望も何もない難民キャンプでも一人も、いない、と。
私は、ほうぼうで聞いて歩いた。
「自殺をした子は、いませんか?」
「一人も、いないのです」
私は、骨が見えるくらい痩せて骸骨のようになりながらも、一生懸命に歩いている子を見ながら一人で泣いた。(日本では、子どもが、自殺してるんです。)
大きい声で叫びたかった。
こんな悲しいことが、あるでしょうか。
豊かさとは、なんなの?
私がいろんな子どもに会って日本の子どもに伝えたかったこと。
それは、もし、この本の中に出てきた発展途上国の子どもたちを、「可哀想」と思うなら、「助けてあげたい」と思うなら、いま、あなたの隣にいる友達と「いっしょにやっていこうよ」と話して。
「みんなで、いっしょに生きていこう」と、手をつないで
私の小学校、トットちゃんの学校には、体の不自由な子が何人もいた。
私のいちばんの仲良しは、ポリオ(小児マヒ)の男の子だった。
校長先生は、一度もそういう子どもたちを「助けてあげなさい」とか「手をかしてあげなさい。」とか、いわなかった。
いつも、いったことは、「みんないっしょだよ。いっしょにやるんだよ」
それだけだった。
だから私たちは、なんでもいっしょにやった。
誰だって友だちがほしい。肩を組んでいっしょに笑いたい。
飢えてる子どもだって、日本の子どもと友だちになりたい、と思ってるんですから。
これが、みなさんに、私が伝えたかったことです。
ニュースで、発展途上国の貧困さを知ると、さまざまな想いを募らせますが、遠く離れた我々に何ができるのか。
黒柳さんの言われるように、「可哀想」と思うなら、「助けてあげたい」と思うなら、いま、あなたの隣にいるひとを大切にしてほしい。
それが多くの人に伝わることで、遠く離れた異国の人にも、手を差し伸べることができるのではないでしょうか。
まずは難しく考えないで、同僚の女性陣、彼女や奥さんにホワイトデイのお返しをして、喜ばせてあげてください。
今日は普段はできないことができる特別な日なので、“いいこと” があるかもしれません。
ちなみに、私は “いいこと” がありましたよ。
院長 野村