急いでしなければと思うこともあり、そうしたくないこともあり。
なんだか、最近は、自分の気持ちの整理のブログになってきたような・・・
急いでるみなさんに今日もいいお話を。
坂西輝雄氏の心に響く言葉より…
西ドイツの童話作家、ミヒャエル・エンデの『モモ』という童話があります。
ローマ郊外にある円形劇場の廃墟に、浮浪児の女の子のモモが住みつく。
彼女には、人の話をよく聞いてあげるという特殊な才能が備わっている。
子どもたちは学校帰りにモモのところに寄って、学校でのいやなこと、そのほかさまざまな悩みなどを話しているうちに不思議と気持が開放され、ゆったりした気分で家に帰る。
伝え聞いたおとなたちも集まるようになる。
仕事が終わってぐちをこぼしていくうちに、知らず知らず心の平安を得て家に帰るのです。
ところが、モモのいる町に時間貯蓄銀行ができる。
その銀行員はいわば時間泥棒。
各家庭を訪問して、余っている時間を貯蓄してくださいと言う。
ある日、床屋のフージーさんの所にやってきてこう聞くのです。
「散髪にどのくらい時間をかけていますか」
「一時間かけている」
「それはもったいない。むだな世間話などしないで、15分で散髪すれば45分節約できる。家でお母さんの面倒を見るのも時間のむだだからやめて、その時間を時間貯蓄銀行に貯蓄してください」と言われたフージーさんは、散髪にかけていた時間を短縮し、お母さんも養老院に入れ、余った時間を銀行に入れた。
こうしてフージーさんはありとあらゆるむだな時間を貯蓄した結果、売上も伸びて金持ちになるが、せかせかして怒りっぽくなってしまう。
町の他のおとなたちや子どもたちにも、時間泥棒が働きかける。
やがて町中のだれもモモのところにこなくなってしまい、町には落ち着きがなくなってしまう。
そこで時間泥棒とモモとの間で、「時間争奪戦」が始まる。
壮絶な戦闘の結果、最後にモモが勝って、町にゆとりと心の平安がもどるというお話。
『今、こころの時代に』(株)タニサケ小冊子より
母親が、子どもに対して一番多く言う言葉は、「早くしなさい」だそうです。
「早く食べなさい」、「早く支度しなさい」、「早く寝なさい」…
確かに、現代は「早く」が重要な価値観となっている感じがします。
早くすることによって得してきたことは多くありますが、その反面、我々は大事なことを失ってきたのかもしれません。
ゆっくりしてくれると助かる人もいるかもしれないので、ちょっと後ろを向いてみるのもいいかもしれません。
誰もいなかったら寂しいですよ。
うちの娘、運動会のリレーの練習で走りながら後ろを向いてこけたそうです。
やっぱり後ろを向くときはゆっくりがいいですね。
しかし、ゆっくり走れとは言えず、娘には走っているときは後ろを向くなと言いました。
う~ん?
子育ては親の勉強ですね。
院長 野村