多くの方が、ふと感じた香りでイライラや沈んだ気持ちが晴れたという経験はあるのではないかと思います。
哲学者アリストテレスは「においは不明確な感情を引き起こす」といい、「良いにおいの物は体に良く、悪いにおいの物は体に悪い」という見解を残しています。
嗅覚は、人間の五感の中でも特殊な感覚であり、「原始的」「直接的」と言われ、生理反応に直接結びつく、とても重要な感覚です。
鼻腔に入った香りは、脳の「考える」部分を通さず「感じる」部分(大脳辺縁系という場所)に一瞬で伝わります。
そこから視床下部という身体の生理機能をコントロールする部分へ伝わり自律神経、免疫系、ホルモン系の働きのバランスをとることで身体に生理反応が現れます。
視床下部は「脳の中の脳」と言われるほど重要な器官で、私たちの体の恒常性を保つために、自律神経系や内分泌系(ホルモン調節)、そして免疫系を調節しています。
ここで重要なのは、嗅覚が大脳新皮質による知的な解釈を通さずに、身体の生理反応に直結しているということです。
このような医学的な見解からも「いいにおい」「そうでないにおい」が体に及ぼす影響は大きいものがあると思われます。
私たち現代人はさまざまなストレスに囲まれて生きており、こうしたストレスを和らげる手段として注目されているのが「アロマテラピー」です。
アロマテラピーという言葉は、20世紀初頭、フランスの化学者ガットフォセが実験中の事故で火傷を負った際、ラベンダーの精油(エッセンシャルオイル)を用いてその効能を自ら体験したことから、この植物療法をアロマテラピーと命名したことが始まりです。
アロマテラピーは、植物の香りやさまざまな働きの力をかりて、心や身体のトラブルを穏やかに回復し、健康増進や美容に役立てていこうとする自然療法です。
アロマテラピーはリラクセーションやストレスケアの他、美容や健康維持、疲労回復に役立てることが可能であり、入浴やトリートメント、セルフスキンケアなど、 アロマテラピーを上手に生活に取り入れていくことは、 心と身体のバランスを取り戻すときの、大きな助けとなると思われます。
予防医学の必要性を考える当院としては、みなさんの日常生活の中で、みなさん自身で体調を管理できる方法を提案していきたいと思っていることからも、今回、アロマの使い方など、初心者向けに基本的な勉強会を開催させていただきたいと思います。
野村BHC アロマ基礎講座
◎日時:平成24年5月26日(土) 14:00~15:30
◎場所:野村循環器内科クリニック 多目的ホール
◎受講料:無料
◎講師:松嶋 輝美(まつしま てるみ)
■シャンティナチュラルセラピー主宰
■日本アロマ環境協会認定 アロマアドバイザー教室
■日本アロマ環境協会認定 アロマセラピーインストラクター
■インドネシア政府公認バリニーズセラピスト
■プラーナ療法level2終了
http://profile.ameba.jp/rosmarinus-natural/
講師をお願いした松嶋 輝美さんは、自然豊かな宮崎に魅了され20年前、宮崎に移住。結婚、出産を経て、子育てする中、子どものアトピーの悪化、様々な病気を母として経験し、自然療法に興味を抱き、身体と心にやさしく働きかけてくれるアロセラピーに出会われました。
数年前、メディカルアロマの師との出会いから、国内になかったセラピーに衝撃を受け、現在は宮崎市加江田の自然溢れる地でサロンを運営、ハーブを育てながら、メディカルアロマを中心に、個人の方へのセラピー、講座に力を注いでおられます。
使っておられるアロマも、添加物や成分合成が一切入っていない100%天然で高品質なものを使われておられることからも、医療機関としても安心してお薦めできるセミナーです。
参加ご希望の方は、当院までご連絡ください。(☎0985-52-7171)
当院から、また一つみなさんの健康への扉を開けていただきたいと思います。