今日で開業一か月。
何が大変だったかというと、
“想いを伝えること”
患者さんだったり、スタッフだったり、家族だったり。
すごく考えさせられました。
ここで想いを伝えるいいお話。
お父様の事が大好きなご新婦と、そんなご新婦を暖かい目で見守るお父様。
なかなか披露宴の中で花嫁の父が想いを伝える機会はありません。
なければ、つくればいい。
というわけで、ご新郎の協力のもとご新婦のお父様へ連絡をし、
愛する娘へ伝えたい素直な気持ちをお手紙に綴ってきて頂くお願いをしました。
そしてむかえた披露宴も終盤にさしかかり、本来なら花嫁のお手紙の時間。
「ここで、新婦から感謝のお気持ちを込めてご両親へお手紙を・・・と言いたい所ですが、その前に・・・」
前代未聞の花嫁の父のお手紙の朗読です。
そして、お手紙の中にこんなエピソードが。
『 君は小学生のころ、学校でいじめに合っていました。
毎日泣きながら帰ってくる君。
学校に行きたくないと駄々をこねる君を厳しくしかってしまったこともありました。
けれど、君が眠りについた後、厳しくしかってしまったことを後悔しながら 君の寝顔を眺めながら、この子だけは何があっても守り抜かなくては。
どんなことがあっても自分はこの子の味方でいようと頬を撫でて語りかけていたものでした。 』
このエピソードがお父様の口から語られた瞬間、ご新婦は堰をきったように顔を覆って涙されました。
いよいよ、花嫁からのお手紙。
そのお手紙の中にこんなエピソードがありました。
『 私が小学生の頃、学校でいじめに合っていました。
辛くて辛くて、学校に行きたくなくて、そうお父さんに伝えると厳しくおこられたこともありました。
でも、泣きながら私が布団に入ってしばらく経つと、お父さんはそっと私の隣にやってきて、私のほっぺたを何度も撫でてくれましたね。
その手があったかくて優しくてとても安心して、明日も頑張ろうと思えました。
お父さんはきっと今日まで私がすっかり寝ていると思っていたと思うけど、本当は私、毎晩、起きていたんですよ。
お父さん・・・あの時はありがとう。 』
そういって、にっこりとお父様のほうに笑いかけるご新婦。
今度はお父様が顔を覆って涙される番でした。
何十年ぶりに魔法が説けたように明かされた、ある日の父と娘の素敵な記憶。
その時は、言えずに苦しくなることもありますよね。
どう思われるだろう、どうなるだろう。
けれど、本当の気持ちを伝えあうことは決して間違いはないと思います。
ちなみに、私は結婚式の新郎の挨拶で、初めて母親に感謝の言葉を言いながら号泣しました。
でも、今はたまにしか会わないのに親子喧嘩です。
81歳の母、40歳の息子。
いくつになっても本音トークです!!!
“母さん、ありがとう”
院長 野村