人は、成功した人を見ると、「あいつは顔がいいから」「背が高いから」「頭がいいから」「育ちがいいから」などと、その人の恵まれた部分にばかり目を向けがちです。
けれど、何かにチャレンジする機会に恵まれた時には、「でも...」と言い訳をするのです。
それでは、ネガティブな「でも...」から抜け出す方法とはなんでしょうか?
それは、立ち上がり、確固たる態度をとること。自分の人生や健康、成功、人間関係に責任を持つことです。
こう語るのは、ショーン・スティーブンソンです。
彼は、骨形成不全、小人症という先天的疾患を持って生まれてきました。
骨折もなんと200回以上。
大人になっても身長は90センチあまり。
頭に手が届かず、特別仕様の車椅子で生活を余儀なくされながらも、大学で博士課程を終了。
現在では、五輪アスリートやフォーチュン500企業のCEOに個別カウンセリングを行う心理療法士、そして講演家として活躍しています。
彼は、“でも”という思い込みとは、あなた自身が現実にしてしまった考えに過ぎないと言います。
「でも...」
その大元をたどって行くと、
「私は欠けている」
「私は欠落している」
「私はダメな人間だ」
といった「思い込み」からくるもの。
「思い込み」といっても多くは周囲の人達がよかれと思って言ってきた事が刷り込まれてしまっている事が大半。
自分を他者と比較して、判断して、分析し、そこで自分に欠けている物を見て、「自分とはこのようなものだ」という自己の定義づけを作り出します。
アイデンティともいいますが、この作られた自己の定義づけが、「偽物」だと気づくことが重要です。
「理解してくれない相手が悪い」
「こんな育て方をした親が悪い」
「政府や社会制度が悪い」
といった言葉で現実の何かのせいにします。
そうすると、本当にうまくいかなくなります。
起こった出来事のとらえ方を「これはいい」「これは悪いことだ」と判断しない。
感情のままに怒ったり、嘆いたりすれば健康にも悪い。
だから、一呼吸おいて、「私がこの事から学べる事はなんだろう?」「私はどのように対処すべきか」と考える。
それが、ショーンの言う“自分の人生や健康、成功、人間関係に責任を持つこと”に繋がっていくのでしょう。
「ショーン、自分にできることや、自分が手にしているものに意識を向けなさい。おまえはNBAでプレーはできないかもしれないが、一生懸命に頑張って成功すれば、いつかNBAのチームのオーナーになれるかもしれないぞ!」(ショーンの父の言葉)
昨日、飛行機の中でショーン・スティーブンソンの本を読みながら、彼は私にこう言いました。
「起こったことを、人生のギフトと思うか、人生の重みと思うか?」
しかし、今日風邪を引いて調子が悪いことは、人生のギフトと思うには無理がありそうです。
院長 野村