御来光に手を合わせ、けがれのない高峰に畏敬の念を抱き、数千年の年輪を刻んだ大樹を「ありがたい」と思う。
「山川草木悉有仏性」
山、川、草、木、自然界のことごとく仏性が宿ってるという考えであり、しばしば自然から、おおらかな感動を受ける。
日本人は、自然に抱かれていること自体に喜びを感じられる心豊かな存在です。
私は、この歳になってそういうものが大切だと思うようになりました。
今日は残念ながら曇りでしたが、在宅医であったため、朝クリニックで掃除をしていると、曇から初日の出を見ることができ、渡り廊下で御来光に手を合わせ拝みました。
ところで、“感動”しているときには、脳内ではどのようなことが起こっているのでしょうか。
それは、大きく二つ。
まず一つは、感動しているときには、脳の快感神経から快感物質が分泌されています。
感動のあまりに起こる恍惚感、幸福感、達成感はみな快感物質が脳に満ちることで起こります。
そして二つ目は、感動しているときには、右脳に素晴らしい絵を描いています。
たとえば、私たちが朝日を見て感動しているとき、そこには希望、そして永遠を感じます。
どんな説明もいらない鮮やかな絵を右脳に描き、その感動に浸っています。
論理や計算を扱う左脳だけだったら、そうはならないでしょう。
その美しさや感動を表すのに万の言葉を費やさなければなりません。
感動という字は、感じて動く、あるいは動いて感じると書きます。
まず動く。
それは心が動くことであり、体が動くことでもあります。
動くことで、さっきまでの世界と別の世界が見えてきます。
視界が広がるし、別の角度のものが見えてくる。
心を動かし、体を動かす。
感動力を鍛えるために必要なことです。
私は、17歳の時に父を亡くし、医師を目指したのですが、全く受験勉強らしきことをしていなかったために、担任の先生から絶対に無理と言われながらも、たまたまハナ肇さんが語った言葉が支えになりました。
心が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、環境が変わる。
環境が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、人生が変わる。
あの時あきらめていたら、今はありません。
まさに、心を動かし体を動かしたことが、今こうしてみなさんと出会える感動につながったのだと思うと、自分の想いひとつなんだなあと、元旦の今日、改めて感じました。
開業して最高に忙しかった今年のスタートを、スタッフみんなで無事に乗り切り、今年もさらに心を動かし、多くの感動に出会いたいと願いつつ、みなさんにご挨拶させていただきます。
みなさん、明けましておめでとうございます。
院長 野村