みなさん、お休みの今日も雨でしたが、いかがお過ごしでしたか?
私は、今日は親戚の法事で、数年ぶりにお会いする方が多かったですね。
久しぶりにお会いすると普段話さないことをお話をすることがあるじゃないですか。
意外に盛り上がったりして、やっぱり人と会うと面白いことがありますね。
実は、最近マイブームがあるのですが、その話をしたら、ある人はとても興味を持ってくれました。
お孫さんの健康に直結することだったので、とても喜んでおられました。
そして、今日は自宅のパソコンの修理をお願いしていたので、法事が終わって家に帰り、エンジニアさんと話をしていると、またまたマイブームの話になり、これまたエンジニアさんの健康に関わることだったので、とても喜んで帰られました。
自分が伝えることができるものが、たくさんの方に喜んでもらえるって本当に嬉しいことです。
研修医だった頃、研修医だという不安をいかに患者さんに与えないかと色々工夫したことがありました。
人と競うものではない “自分らしさ”
今日は、ちょっと有名なお話ですが、あえて“自分らしさ”についてのいいお話をご紹介します。
「涙の数だけ大きくなれる」木下晴弘著(フォレスト出版)
その女性は何をしても続かない人でした。田舎から東京の大学に来て、部活やサークルに入ってもすぐイヤになって次々と変えていくような人だったのです。
そんな彼女にもやがて就職の時期がきました。
最初、彼女はメーカー系の企業に就職します。しかし3か月もしないうちにやめてしまいました。
次に選んだ就職先である物流会社も次に入った医療事務の仕事も半年ほどでやめてしまいました。
そんなことを繰り返すうちに彼女の履歴書は、入社と退社の経歴がズラッと並ぶようになっていました。
するとそういう内容の履歴書では、正社員に雇ってくれる会社がなくなってきます。
結局彼女は派遣会社に登録しました。
ところが派遣も勤まりません。
イヤなことがあればその仕事をやめてしまうのです。
またもや履歴書に派遣の先リストが長々と書かれるようになりました。
ある日のことです。新しい仕事先の紹介が届きました。スーパーでレジを打つ仕事でした。
当時のレジスターは、値段をいちいちキーボードにうち込まなくてはならず、多少はタイピングの訓練を必要とする仕事でした。
ところが勤めて1週間もするうち彼女はレジ打ちにあきてしまいました。
彼女は辞表を作ってみたものの決心をつけかねていました。するとそこへお母さんから電話がかかってきました。
「帰っておいでよ」
受話器の向こうからお母さんのやさしい声が聞こえてきました。
彼女は田舎に帰ることを決めて、片づけを始めました。すると机の引出しの奥から1冊のノートが出てきました。
小さい頃に書きつづった大切な日記でした。パラパラとめくっているうち、彼女は「私はピアニストになりたい」と書かれているページを発見したのです。
そう。彼女の小学校時代の夢です。
「そうだ…あの頃、私はピアニストになりたくて、練習をがんばっていたんだ」
「あんなに希望に燃えていた自分が今はどうだろうか。履歴書には、やめてきた会社がいくつも並ぶだけ。自分が悪いのはわかっているけど、なんて情けないんだろう。そして私は,また今の仕事から逃げようとしている・・・」
そして彼女は日記を閉じ、泣きながらお母さんにこう電話したのです。
「お母さん、私、もう少しここでがんばる」
翌日スーパーに出勤した彼女はある考えが浮かびます。
「私は昔、ピアノの練習中に何度も何度も弾き間違えたけど繰り返し弾いているうちに、どのキーがどこにあるのかを指が覚えていた。
そうなったら鍵盤を見ずに、楽譜を見るだけで弾けるようになった。そうだ…私流にレジ打ちを極めてみよう」
彼女はまずレジのボタンの配置を頭に叩き込み、あとは打つ練習をしました。
数日のうちにものすごいスピードでレジが打てるようになったのです。
すると不思議なことに、これまで見もしなかったところに目が行くようになったのです。
まず目に映ったのはお客さんの様子でした。
「ああ,あのお客さん,昨日も来ていたな」
「ちょうどこの時間になったら,子ども連れで来るんだ」
さらに「この人は安売りのものを中心に買う」「この人はいつも店が閉まる間際に来る」「この人は高いものしか買わない」とかがわかるのです。
そんなある日、いつも期限切れ間近の安いものばかり買うおばあちゃんが、5000円もする尾頭付きの立派なタイをカゴに入れてレジへ持ってきたのです。
彼女はびっくりして思わずおばあちゃんに話しかけました。
「今日は何かいいことがあったんですか?」
するとおばあちゃんは「孫が水泳の賞を取ったお祝いなんだよ。」
「いいですね。おめでとうございます」
いつしか彼女はレジに来るお客さんの顔をすっかり覚えてしまい名前まで一致するようになりました。
「○○さん、今日はチョコレートですか。でも今日はあちらにもっと安いチョコレートが出てますよ」などと言ってあげるようになったのです。
レジに並んでいたお客さんも応えます。「いい事言ってくれたわ。今から変えてくるわ」
そんなある日のことでした。「今日はすごく忙しい」と思いながら彼女はいつものようにお客さんとの会話を楽しみつつレジを打っていました。
すると店内放送が響きました。
「本日は込み合いまして大変申し訳ございません。どうぞ空いているレジにお回りください」
ところが、わずか間をおいて、また放送が入ります。
「本日は込み合いまして大変申し訳ございません。重ねて申し上げますがどうぞ空いているレジにお回りください」
そして3回目に同じ放送が聞こえた時に初めて彼女はおかしいと気づき周りを見渡して驚きました。
どうしたことか5つのレジが全部空いているのに、お客さんは自分のレジにしか並んでいなかったのです。
店長があわてて駆け寄ってきます。
そしてお客さんに「どうぞ空いているあちらのレジにお回りください」と言ったその時です。お客さんは店長の手を振りほどいて、こう言いました。
「放っておいてちょうだい。私はここに買い物に来てるんじゃない。あの人としゃべりに来てるんだ。だからこのレジじゃないとイヤなんだ。」
その瞬間、彼女はワッと泣き崩れました。
その姿を見てお客さんが店長に言いました。
「そうそう、私たちはこの人と話をするのが楽しみで来てるんだ。今日の特売はほかのスーパーでもやっているよ。だけど私は、このお姉さんと話をするためにここへ来てるんだ。だからこのレジに並ばせておくれよ」
彼女はポロポロと泣き崩れたまま、レジを打つことができませんでした。
当院は、スタッフの面接試験では、「あなたに会えてよかったと思えるような仕事をしてほしい」と伝えます。
今のスタッフはそれに応えてくれるスタッフです。
おかげで、診察室より待合室の方が話が盛り上がっています。
今度の面接試験では、「院長をたてるような仕事をしてほしい」ということにしようと思います。
院長 野村