みなさん、“奇跡”を感じたことがありますか?
医療に関して言えば、癌が無くなったなんてよく耳にしますが、本当にありえないと思っていることが起こることがあるんです。
でも“奇跡”というものは、その人自身が決めることでもあるんです。
身近でいうと、当院の禁煙外来第1号の方なんですが、初めて当院に来られた時は、タバコを1日60本吸っておられ、不整脈で具合が悪くて当院を受診しているにもかかわらず、病院の外に出てまでもタバコを吸うほどのヘビースモーカー。
しかし、まだ40代ということもあり、ご本人もさすがに病状と将来を考えて、一念発起、禁煙を決意されました。
ここまでのヘビースモーカーとなると自分の意志だけでは止められないため、内服薬での治療を開始しました。
しかし、あれだけ吸っていた人が、なんとピタリと止められているんです。
同僚からは、「絶対嘘だ!どこかで吸っているだろう」と信じてもらえないと言っておられましたが、本人も自分でも禁煙できている自分に驚いておられました。
その人にとっては、まさしく “奇跡”
タバコを吸わない人にとっては些細なことですが、この禁煙は、実は、命に関わる病気を未然に防いだかもしれません。
病気になって奇跡を起こすか、病気にならないように奇跡を起こすか。
おそらく、この方の人生は大きく変わると思います。
健康、お金、奥様からの信頼などなど、得るものは大きいですね。
実は、私も奇跡を感じることが多いのですが、奇跡って偶然ではないんです。
ここで、中高年のみなさんへ励ましの奇跡をひとつご紹介します。
なんで俺がこんなありえない人生を歩んでるんだろうと考えた時、『奇跡を起こす方程式』を思いついたんです。
『奇跡=才能×努力×感謝力』
真の勇者は頑張れることへ感謝できる人なんですね。
才能と努力だけで栄光を掴みにいくと、うぬぼれてしまい、最後の一打で手が届かなかったりするんです。
こんなことを言っておられるのは、プロゴルファーの古市忠夫さんです。
プロゴルファーの古市忠夫さんは、元々はよくいるカメラ屋の主人でした。
趣味で始めたゴルフにのめり込み、地域の大会で優勝を重ねていきますが、当時はただの遊びの域を出なかったといいます。
そんな古市さんの運命を180度変えたのが、12年前の大震災でした。
燃えさかる炎によってアーケードがなぎ倒され、建物のほとんどが倒壊し、住み慣れた街を見るも無残な姿に変えてしまった。
阪神・淡路大震災。
古市さんは、家も店も財産も、親友までも失い、人生のどん底を味わいました。
しかし、偶然にも遠くに停めていた車と、その中に入っていたゴルフセット一式だけは無事だったのです。
「たった一度の人生。これからは神様が唯一自分に残してくれたゴルフで生きていきたい」と覚悟を決め、家族から大反対を受けながらもプロになろうと決意します。
その時、古市さんは59歳。
「不思議でしょう。受験者のほとんどが20代の若者で、約40歳ほど違う彼らと比べて、おっちゃん技術や体力あると思う?“努力”だって、彼らは小さい頃からクラブ握って、1日1000球くらい打っているんですよ。俺、500球も打ったらもう肩上がらへん」
しかし、古市さんは合格率3パーセントのプロテストに見事合格しました。
才能も体力もない、努力も及ばない自分がなぜ奇跡を起こすことができたのか。
古市さんの得た結論は、
“感謝の力”でした。
「私は震災によってあまりに多くのものを失いました。しかし、それによって大切なのは物でもお金でも名誉でもない。人の愛であり、優しさであり、人を思いやる心であり、感謝なのだと分かりました」
阪神・淡路大震災というあまりにも悲惨な機を活かした古市さん。
ピンチはチャンス。
“奇跡”は努力の“軌跡”
いくつになっても、イケイケドンドンですよ!
院長 野村